超高齢化社会を迎えた日本。
2025年には65歳以上の高齢者ひとりを1.8人の若年層が支えることになると言われており、仕事をしながら介護を行う「ビジネスケアラー」や、介護施設の人員不足といった問題があります。
これらの問題を背景に、AIや見守りセンサー、ロボットなどのICT技術活用で介助者の負担を軽減するサービスが多様化しています。
ICTとは「Information and CommunicationTechnology」の略で、情報通信技術を活用したコミュニケーションのことを呼びます。
ICTを活用して介護現場の能率を上げることが、日本の将来を安泰にするために欠かせない急務なのです。 実際に介護現場で行われている、ICT導入の活用事例を見ていきましょう。
・介護記録
主に訪問介護事業所に利用の多いサービスです。 訪問ヘルパーに専用アプリの入ったタブレット端末を配布します。訪問ヘルパーはそのタブレットを使用して、サービスの開始・終了時刻を記録します。実施したサービスの内容や利用者の様子も、アプリを使って簡単に記録することができます。 各ヘルパーが持ち帰った端末の情報はクラウド上で自動的に集計することができ、請求作業も効率的に行うことができます。
・見守りロボット
夜勤を伴う介護施設では、1人の夜勤スタッフが複数の居室を巡回しますが、数少ないスタッフが複数の見回りを行うことは負担の大きい業務の一つです。 見守りロボットを各居室に設置すれば、利用者がベッドから起き上がったことを感知し、自動でスタッフに知らせることができます。これにより介護事故の防止やスタッフの負担軽減が期待できるでしょう。 また、個別のバイタルサインを計測し、利用者の健康状態の記録や分析に利用することもできます。
また、在宅介助者のためのサービスも増加しており、 見守りセンサーとスマホアプリの連動により恒例の家族の見守りをサポートする商品や、高齢者の健康状態などを聞きとる対話AIシステムなど、多くのシステムが開発されています。
このようなシステムはビジネスケアラーの負担軽減につながり、介護離職を防ぐことが期待されます。
そのほかにもICTを活用した実証実験は数々行われています。
ICTを活用して一人あたりの作業量を減らし、少ない人数でたくさんの高齢者を支えられるような仕組み作りを目指しましょう。