会社の人事部やその会社で働く人々はさまざまな悩みや課題を抱えています。会社としては、近年の若者の離職率の高さを受け、どのように社員を繋ぎとめれば良いのか、どのような職場環境やシステムが社員のモチベーションを向上し、長期にわたって自社に貢献してくれる人材となってくれるのかを知ることが大変重要です。また、社員は会社が出産や育児、親族の介護に対する理解を示しサポートしてくれることや、無意識の差別（アンコンシャスバイアス）をなくし、性別やバックグラウンドにとらわれず個人能力を元に正当に評価されることを強く求めています。このような、会社と社員が抱える問題の両方に対処するためにはどのような解決策があるのでしょうか。
まず社員の離職の防止策として、悩みや不安を相談しやすい人間関係の構築が必要不可欠です。具体的には、定期的なカジュアル面談の実施やカウンセラーの設置、自分がストレスを感じた時の対処法やストレスを抱えた同僚へのサポート方法に関する勉強会などが挙げられます。後輩社員が悩みを打ち明けられる環境を作り、同じような経験をしたことのある先輩社員からアドバイスを受けられるような信頼関係を築くことが大切です。
また、女性の活躍の推進のためにできることとして、直接的な言動だけでなく、女性社員の昇進や雇用の際に見られるアンコンシャスバイアスをなくすために、第三者組織によるチェックや社員に向けた勉強会などがあります。また、近年では、女性の活躍を推進する社会の動きにより、女性の雇用の割合を増やしたり、女性を高いポジションに起用することがよく見られますが、ただ女性のポジションを変えるだけでなく、実際に女性が成果を出せるようにするためのリーダーシップ研修も必要です。このように長期にわたって女性を支援していくことは会社内での競争を生み出し、より良いパフォーマンスにつながります。
さらに、仕事と子育てや介護の両立をサポートするための取り組みも必要です。これらの問題は、当事者への育児休暇や介護休暇などの直接的な支援だけでなく、会社全体としての理解の促進が非常に大切です。リモートワークやフレックスタイム制度、子連れ出社の導入や、会社による保育園やデイサービスの斡旋、または介護経験者や先輩ママ・パパ社員によるメンター制度の導入により会社全体で育児や介護をサポートし、働き続けやすい職場環境を作ることができます。