現在建設業界では労働人口不足の深刻化が進んでいます。
建設業界におけるDXは、この労働力不足の問題解決や、安全性の向上、技術継承などにも効果的であると注目されています。
そもそもDX(デジタルトランスフォーメーション)とは「データやデジタル技術の活用によって、製品やサービス、ビジネスを変革し、顧客や社会のニーズを満たして優位性を確立すること」です。
デジタル技術を活用してビジネスそのものを変革し、収益向上につなげることがDXのポイントです。
建設業界では、 3次元モデルデータやAI、ドローンやRTK測位など、最新技術の活用も進められており、DXに投資して効果を得ている企業もあります。
一方でデジタル技術の導入に対応できていない企業があることも事実です。
とくに地方のインフラ整備を支える地方自治体とローカル企業への導入が課題となっています。
国土交通省によると、建設業就業者は55歳以上が約3割、29歳以下が約1割と高齢化が進行しており、後継者問題や次世代への技術継承が課題となっています。
これまで熟練技術者の経験や勘に頼っていた部分を、デジタル技術を活用して共有していく必要性が高まっているのです。
ここからは建設業界DXで用いられる技術をご紹介します。
・3次元モデルデータ
3Dデータを活用して計画や設計を行うだけでなく、3Dプリンタで橋を作ったりなど、さまざまな展開が期待されている技術です。この技術のメリットは業務負荷が大きい施工管理を、現地に行くことなくリモートでも実施できるようになることです。また最近では高額なレーザースキャナがなくとも手軽に3次元モデルデータを導入することができる方法についての研究も進んでいます。
・ドローン
ドローン技術とは、一般的にはカメラ機能を搭載した無人航空機の総称です。自動制御や遠隔操作による飛行が可能であり、建設業では測量や高所の点検といった業務領域で活用されています。これにより少ない人数でコストを抑えつつ測量や点検といった業務を進めることができ、作業日数の大幅な短縮とともに必要な人材の削減が期待されます。
・AI
「AI(Artificial Intelligence)」とは日本語だと「人工知能」を指します。AIが熟練の職人の映像を解析し技術継承を支えたり、3Dモデルデータの処理、ドローンカメラの映像を解析してインフラ老朽化を自動検知するなど、DXの中でも幅広い活用が進んでいます。
・SaaS(クラウドサービス)
建設業界は紙での情報のやり取りも根強く残っている業界だと言われています。しかしデータを一元管理することができれば、業務の効率化へとつながります。「(SaaS(Software as a Service)とは、クラウド環境で提供されるソフトウェアやアプリケーションを提供するサービスです。SaaS型のクラウドサービスは、インターネットさえあれば時間や場所にとらわれることなく利用できます。全社横断的な情報共有を行う上で欠かせない技術です。
建設業界でのDXが停滞している理由の一つとして、資金調達の問題があります。
大企業のように豊富な資金調達手段を持っていない中小企業では、投資資金を調達するのは容易ではありません。
しかし現在では産官学一体での建設DX推進が進められており、今まで見過ごされてきた問題も徐々に解決に向かってきています。
常に最新技術は進化しているので、建設業のDXについてご検討の方は、常に情報をチェックすることがおすすめです。
今回は建設業界におけるDXについてお伝えしました。是非ご参考にしてみてください。